時間を測るスプーン

時間を測るスプーン

  • 2004
  • 2×12×4cm
  • 素材:ガラス

計量スプーンの底に穴を開けると、すくった粒子がその瞬間からこぼれはじめて、
時間を計量するスプーンになることに気づきました。はじめは10秒、20秒、30秒と、
時間を正確に計量するつもりでしたが、粒子の大きさや湿度の条件から、
どうしても正確に測れないことがわかりました。逆に、時計とは違う砂の時間の
測り方を見つけました。すくった砂に固有の 「スプーン一杯」の時間です。

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近所の公園の砂とサハラ砂漠の砂ではスプーン一杯の時間が異なってきます。
地球上のあらゆる砂の粒子に内在する「時」を現在に解き放つスプーンです。
すくったその一杯の時間、そのときしかない時間が、すくった瞬間から流れはじめます。

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スプーンの構造を地球にたとえると、北半球のてっぺんが落下して赤道で裏返り、
南半球へとつながる時空を貫いたかたちをしています。北半球の人と南半球の
人が突然出会ってしまう程の出来事がこのスプーンの中では起こっているのです。

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